第165話街中に咲き誇る花火

「折れちゃった」

シャーロットはずっと目を凝らして見ていた。露店の職人が通りすがりの人に肩をぶつけられ、作っていた蝶が片方の羽を失ってしまったのだ。

悔やむような色が彼女の瞳に一瞬走った。気の毒に思った職人はシャーロットのほうを向き、頭を下げるようにして詫びた。「本当にすみません、お嬢さん。これは失敗しちまいました。少し待ってください、作り直しますから。壊れたほうは――お代はいりません、差し上げます」

シャーロットは少し考え、それから首を横に振った。「いいんです。不完全さには不完全さの魅力がありますもの。この小さな事故は、人生が驚きに満ちてるってことを教えてくれる。むしろ、好きです」

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